こんにちは。
前回の記事では、「むすび」が天地をつなぐ力であり、昔の人々にとってとても大切なものだったことを紹介しました。
前回の物語はこちら
しかし、この「むすび」の力は、ある時期に封印されてしまったと言われています。
どうしてそんなことが起こったのでしょうか?
「むすび」の力は時代とともにどのように変わり、なぜ封印されることになったのか?
今回は、その謎について考えていきます。

🔍 「むすび」とは、そもそも何だったのか?
「むすび」という言葉には、「産霊(むすひ)」という古くからの意味が含まれています。
日本神話では、「むすひ」は天地をつくる神さまとして登場し、世界を形にする力を持っていました。
たとえば、
高御産巣日神(たかみむすび)
神産巣日神(かみむすび)
これらの神々は「むすび」の力を体現する存在です。
「むすび」は命を生み、世界を形づくる力。単なる結びではない。
しかしこの「むすび」は、時代が進むにつれて
権力者にとって扱いづらいものになっていきました。

🔮 なぜ「むすび」は封印されたのか?
歴史を振り返ると、「むすび」の考え方が大きく変化した時代がいくつかあります。
中でも大きな転機となったのが、仏教の伝来と社会構造の変化です。
🔸 縄文~弥生時代
・自然と調和して暮らし、天地や人々を「むすぶ」力を大切にしていた
・血縁や精神的なつながりが重視された
🔸 邪馬台国と卑弥呼の時代
・霊的な「むすび」の力を使い、共同体を統治
・中国(魏)との交流により、「むすび」観が変わり始めた
🔸 仏教の伝来(飛鳥・奈良時代)
・仏教中心の世界観が広まり、古来の「むすび」の信仰が抑えられた
・精霊的な儀式や民間信仰が「迷信」とされていった
🔸 武士の時代(平安~戦国時代)
・「むすび」は血縁や家系のつながりへと限定され、霊的側面は薄れていく
むすびが封印されたのは、コントロールしにくい霊的な力を抑えるため。 あるいは、暴走を防ぐために自ら“守られた”とも言えるかもしれません。

🗝 撫子が手にした「封印の鍵」の意味
物語の中で、撫子は祖母の家で「叶え結び」を手にします。
それは、ただの精麻の結びではなく、封印を解く鍵でした。
でも、それだけでは封印は解けません。
撫子は、「むすび」の中に秘められた
五つのエレメント(風・水・火・言葉・血)を知ります。
そして、次のような問いが立ち上がってきます。
- 封印を解くことで、新たな「むすび」の時代が始まるのか?
- それとも、「むすび」は新しいかたちで継承されるべきなのか?
[この問いは私たちにも]
これは物語の中だけでなく、今を生きる私たちに投げかけられているテーマでもあるのです。

撮影:@chuntaro
🌿 私が感じる「むすび」
最近、祖父の話をよく思い出します。
祖父は「天狗に乗せてもらったことがある」と言っていました。
昔話だと思っていたその言葉が、なぜか今、とても気になります。
ここ最近、ちょっと不思議なことが続いています。
・猿が私の勤務先に現れる
・ネズミが目の前を横切る
・カラスと猪が遊んでいるように見える
一見無関係な出来事も、どこかですべてが結びついているように感じるのです。
私は今日も、精麻を撚り、結び、祈ることを続けています。
まるで何か大きな流れが、私を「むすび」へ導いているかのように。

💫 あなたにとっての「むすび」とは?
ここまで「むすび」の歴史や封印の謎について考えてきました。
では最後に、あなた自身に問いかけてみてください。
- あなたにとって、「結ぶこと」とは何を意味しますか?
- もし封印された「むすび」があるとしたら、それを解くべきだと思いますか?

あなた自身の「むすび」を見つける旅へ。
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